頭皮のかゆみは辛いですよね。
かゆいことが気になって集中力がかけてしまったり、爪を立ててかいてしまって皮膚が傷ついた、なんてこともあるのではないでしょうか。かゆみに伴うフケや皮脂のにおいなど、頭皮トラブルは悩ましいものが多いのですぐにでも治したいですよね。
今回は頭皮がかゆくなる原因と予防する方法についてご説明させていただきます。
1.「かゆみ」とは
かゆみとは、皮膚、目、鼻などに起こるムズムズした不快な感覚をさします。
皮膚には「肥満細胞」と呼ばれる細胞が存在し、細胞内には「ヒスタミン」という化学物質が含まれます。
ヒスタミンは皮膚に何らかの刺激が加わることで肥満細胞から分泌されます。
ヒスタミンには感覚神経に刺激を与える作用があるとされ、その刺激が脳に伝わることで起こる反応に一つが「かゆみ」であるとされています。ヒスタミンの分泌量が多いほど、かゆみが強まります。
また、ヒスタミンは「神経ペプチド」と呼ばれる神経伝達物質を放出させる作用もあります。
神経ペプチドは肥満細胞をより刺激し、さらにヒスタミンを分泌させてしまいます。
この刺激の連鎖が、かゆみの範囲を広げていく現象の要因であると考えられています。
2.「頭皮」について
頭皮はとても薄い皮膚からできています。他の皮膚に比べて刺激にも弱いとされ、乾燥もしやすい肌です。
赤み、フケ、かゆみなど、比較的トラブルを抱えてしまいやすい部分であるとされています。
また「髪の毛」が生えるという特徴があります。
髪の毛は頭を外傷から守る役割を担っていると言われています。
髪の毛の毛根は頭皮の中にあり、栄養分は頭皮を通じて行き届きます。
よって、頭皮環境が健康な状態に整っていないと、髪の毛にも影響が出てきてしまいかねません。
意識が薄れがちですが、頭皮も肌の一つで、適切なケアが必要とされるデリケートな部分なのです。
3.かゆみの原因となる事象
以下のような事象によって頭皮がかゆくなる可能性があります。
かゆみの原因として捉えてください。
3-1.頭皮が乾燥している
頭皮は髪の毛に守られてはいますが、外気に触れやすいうえに皮脂の分泌量も多いことから、水分を維持するのが難しい部位であるとされています。
「保湿」などのスキンケアを施しづらいため、乾燥が生み出されやすいです。
頭皮は皮膚がとても薄くできているため、乾燥といった刺激であったとしても敏感に反応を示し、かゆみといった症状が現れることがあります。
3-2.シャンプーの洗い残し
シャンプーはあらゆる成分が配合されており、中には頭皮にダメージを与えてしまいかねないものも含まれています。そのうちのひとつは「合成界面活性剤」です。
この成分は強力な洗浄力を持っている成分で、頭皮の汚れや皮脂をきれいに洗い流すことができます。
一方で、刺激が強いことによる肌へのダメージも懸念されています。
刺激物が頭皮に付着したまま残っていると、かゆみが発生してしまう可能性があります。
3-3.睡眠不足
睡眠時は成長ホルモンが多く分泌されることによって、新しい細胞への入れ替わりが活発的に行われます。体のあらゆる部分に影響し、健康体を生成するうえでも重要な作用と言えるでしょう。
これは頭皮においても言えることで、睡眠が不足し細胞の活性化が促せないと、不健康な肌状態となってしまいます。
刺激への抗体力もより弱まってしまうため、かゆみを感じることも多くなってしまいます。
3-4.偏った食事
栄養をバランスよく摂取することは健康な身体を手に入れるためには重要です。
頭皮は皮膚が薄いうえに頭という重要な機能が集約された部位のひとつであることから、多くの栄養を必要とします。
血液がドロドロとなって血行が悪くなるような食生活をしていると、かゆみなどの反応が現れやすくもなります。
3-5.ストレスを抱えている
ストレスなどの精神的な要素も肌に悪影響を及ぼす可能性があります。ストレスを抱えているときは、ホルモンバランスが大きく崩れます。
ホルモンバランスの乱れから自律神経が乱れ、皮膚の新陳代謝が正常に働かなくなり、古い角質がどんどん溜まっていく可能性があります。
新しい細胞が生み出されず、状態の悪い角質が溜まっていくと、かゆみが発生しやすい頭皮環境となってしまいます。
3-6.湿疹ができている
湿疹とは皮膚の表面で起こる炎症のことを言います。
「水疱」や「発疹」などの急性的に発症するものや、皮膚がカサカサし、硬いかさぶたになったりと様々な症状があります。
いずれにおいても、特徴のひとつに「かゆみを伴う」ことが挙げられます。
病気の一種として考えられるので注意が必要です。
3-7.皮膚病を患っている
「脂漏性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」「あせも」などといったかゆみを伴う疾患を患っている可能性もあります。
乾燥などといった頭皮環境だけの問題ではなくなるため、症状に合わせた適切な処置が必要となります。
かゆみと併せて炎症や痛みといった症状が見受けられるようであれば、何らかの皮膚病の発症が疑われます。
4.頭皮をかくことによる悪影響
かゆみに耐えられず、頭皮をかいてしまうこともあるかと思います。
かくと頭皮にどうのような悪影響があるのかについて説明していきます。
4-1.地肌が傷つく
まず「かく」という行為は地肌をひっかくことでかゆみ反応を和らげることができます。
しかし、ひっかくという行為は自傷行為のひとつともされ、少なからず肌に対してダメージを与えることになります。
頭皮などの皮膚が薄く刺激に弱い部分であれば、傷ついて痛み出血を伴ってしまう場合があります。
4-2.フケが舞ってしまう
フケとは代謝によって入れ替わった古い角質です。
老廃物の一種とされており、頭皮にとっては不要なものです。
頭皮の洗浄を怠ったり、代謝活動が正常に行われていないと、頭にはフケが溜まった状態となってしまいます。
頭皮環境が整っていない状態であるとも考えられるため、かゆみによって頭をかいていると、溜まっていたフケが落ちて舞うことがあります。
フケの印象はあまり良くなく、人によっては不快感を覚えてしまうかもしれません。
4-3.皮脂のにおいが散布してしまう
皮脂は肌に潤いを与える役割を担っています。頭皮においても皮脂は分泌されており、乾燥から守るための働きをしてくれています。
しかし、頭皮の皮脂は分泌量が多いため、適切に処置する必要があります。
頭皮に皮脂が多くある状態が続くと、酸化して不快感を与えるにおいへと変化することがあります。頭皮をかくことで、このにおいが周囲へと散布してしまう恐れがあります。
4-4.髪の毛が抜けてしまう恐れがある
頭皮には「髪の毛」が生えています。
毛根が頭皮の中に埋まっていて、必要な栄養は頭皮から送り込まれています。
かゆみによって頭皮をかいてしまうと、毛根を傷つけてしまったり、頭皮環境の不純によって髪の毛が抜けてしまう恐れがあります。
5.かゆみの予防方法
頭皮をかくと様々な悪影響があることをご理解いただけたかと思います。
ここからは、頭皮のかゆみの予防法について説明します。
5-1.頭皮に優しいシャンプーを使用する
洗髪の際は、無添加のシャンプー、天然成分で作られたシャンプー、などがオススメです。
シャンプーに含まれるあらゆる成分には、頭皮環境にとって良くないとされうものもあるかもしれません。
それは人それぞれの肌質の影響もあるため、一概にどの成分がダメとは言い切れませんが、天然に近い成分であれば間違いないかと思います。
ボトルの裏面に成分の一覧が記載されていますので、購入の際は一読してみると良いかもしれません。
使用しているシャンプーが自身の肌に合っていないと感じる場合は、買い替えするようにしましょう。
5-2.頭皮用の保湿液を使用する
頭皮を乾燥から守るため、保湿液などを使用するのも一つの手です。頭皮用の保湿液がありますので、そちらを使用するようにしてください。
使用する際は、あらかじめ頭皮を清潔な状態に整えておくようにしましょう。
また、必要以上に塗ってしまうと毛穴を塞いでしまったり、反動で逆に乾燥を生み出してしまう可能性があるので、用法・用量をしっかりと守るよう心掛けてください。
5-3.頭皮に良いとされる栄養素を摂取する
頭皮の健康をサポートする栄養素を積極的に摂取してみましょう。
以下に頭皮に良いとされる栄養素の一例を挙げます。
・タンパク質
・亜鉛
・ビタミンA
・ビタミンB群
・ビタミンC
・ビタミンD
規則正しい食事をする中でこれらの栄養素を意識的に摂取するようにしましょう。
中にはサプリメントからこれらの栄養素を摂取している方もいるようです。
使用する際は適切な摂取方法を実施してください。
5-4.十分な睡眠時間を確保する
しっかりと睡眠をとるようにし、頭皮の新陳代謝を促すようにしましょう。細胞を活性化させえることで、頭皮環境を健康な状態に整えることができます。
リラックス効果もあり、ストレスの解消といった効果も得られます。
睡眠不足は頭皮以外にも体のあらゆる面に不調をきたす可能性があるので注意しておきましょう。
5-5.適度に運動する
適度に体を動かし、血液循環を促しましょう。
運動不足だと、血流が悪くなり、頭皮まで十分な栄養が行き届きにくくなってしまいます。
ジョギングやランニングなどといった、大きな力を必要としない有酸素運動系がオススメです。
継続的に行うことが重要ですので、無理なスケジュールを立てずに出来る範囲から行いましょう。
5-6.帽子の着用を控える
帽子を着用すると、熱がこもって頭が蒸れてしまう可能性があります。
汗が頭皮に付着した状態で放置してしまうと、微量ながらも刺激を受ける形となってしまいます。
日差しが強い日は日除けの役割も果たしてくれますが、定期的に脱帽して蒸れた状態を解消するようにしましょう。通気性の良い帽子もあるので、選択する際はそちらを検討してみても良いと思います。
6.まとめ
今回は「頭皮のかゆみ」における原因や対策についてまとめてきました。
まずはご自身の生活を振り返り、頭皮に悪影響を与えてしまっている要因を見つけ出しましょう。思い当たる節については、しっかりと対策をして経過をみてみましょう。
様々な対策をしたにも関わらず一向に回復に向かう気配がない場合は、何らかの病を患っている可能性もあります。まずは皮膚科を受診し、病を治すようにしましょう。また、内臓疾患の可能性もあるためあまり簡単に考えるのは避けてください。