お風呂の長湯や、暑い日の室外での活動の際に「のぼせ」の症状を引き起こすことがありますよね。のぼせてしまうと立ちくらみやめまい、動悸などの症状により一時的に正常な行動ができなくなります。
入浴中といった周囲に助けてくれる人がいない場合などは、自分自身で対処をしなければならない時もあります。いざという時にスムーズに行動に移せるよう、のぼせる原因と対処方法について理解しておきましょう。
1.「のぼせる」とは
のぼせるとは、頭や顔に充血感、熱感を起こした状態のことを言います。
お風呂に長時間入っていたり、暑い日に外出している際にこのような症状を引き起こす可能性が多いようです。
それは、熱によって血管の内径が広がってしまうことで血圧が下がり、脳へと正常に血液が循環しなくなってしまうことが原因であるとされています。
頭まで血液が行き届かなくなってしまうと、貧血、頭痛、めまい、などになり、フラフラと立っているのが大変な状態になってしまいます。
精神的な要因も可能性があり、自律神経の乱れや更年期障害によって体にのぼせやほてりを感じるケースもあるようです。
2.のぼせた時の主な症状
のぼせの状態になった場合、以下のような症状が見受けられます。
2-1.身体全体が熱くなる状態になる
全身が熱を帯びた状態になります。
時には上半身だけが熱くなり、下半身や手足の先が冷えている状態の時もあります。
人は血管が拡張したり収縮することで体温の調整を行っています。
のぼせているときは、この調整が正常に行えていない状態となります。
2-2.ボーっとする
血圧が下がってしまうことで頭へ行き渡る血液の量が減ってしまい、結果としてボーっとした頭が働かない状態となります。
思考が回らず、フラフラとして場合によっては目の前が真っ暗となり倒れてしまう可能性もあります。
2-3.大量の汗をかく
血液がスムーズに循環していない状態となり、身体が熱くなります。
体温の調整をするため、たくさんの発汗が起こります。
発汗は体内の水分を奪ってしまうので、水分補給が必要になってきます。
2-4.立ちくらみ・めまい
血圧が下がっているため、のぼせた状態で急に立ち上がろうとしたり、身体を激しく動かそうとすると、立ちくらみやめまいと言った症状を引き起こしてしまう可能性があります。
時には動悸が激しくなり、息苦しさを感じるときもあるようです。
普段とは違う体の様子が見受けられるようであれば注意が必要です。
3.のぼせてしまう原因
のぼせてしまう大きな原因は血管が広がってしまうことにあります。
血管が正常な状態でないと、血液循環がスムーズに行われません。
ここでは血管の拡張、収縮へと繋がる要因について挙げていきます。
3-1.体温の上昇によるもの
人は熱さや冷たさなどに反応して血管を拡張・収縮させます。
そうすることで血液の流れをコントロールし、体温調整を行っています。
熱さを感じて血管が拡張した状態が長く続いてしまうと、脳への血液循環に支障をきたし、一時的なのぼせを発症することがあります。
3-2.緊張やストレスによるもの
緊張したりストレスを感じた際に顔や体が熱っぽくなることがありますよね。
これらも一時的に発症するのぼせの一種ですが、このような精神的不安定な状態が続いてしまうと、のぼせも慢性的になることがあります。
3-3.風邪、インフルエンザなどの感染症によるもの
感染症にかかると、発熱することがあり、その熱に伴うのぼせが起こることがあります。
特にインフルエンザは39℃近い高熱が出ることがあり、のぼせた状態になってしまいます。
発熱のピークは発症から2~3日ですが、その期間はのぼせの症状がでることがあります。
3-4.ホルモンバランスの乱れによるもの
女性ホルモンが乱れると、皮膚の表面の血管が拡張・収縮といった異常が起こることがあります。
女性であれば、産後や閉経期前後の更年期に女性ホルモンが乱れやすくなるようで、のぼせの症状が見受けられる時期であるとされています。
3-5.自律神経失調症によるもの
精神的なトラブルが原因となり、自律神経が乱れると、体調面にも不調が現れます。
現れる症状は人それぞれで違ってくるようですが、多汗やのぼせといった症状も見受けられることがあります。
4.のぼせた際の対処方法
のぼせたと感じた際は以下の対処を実施してみてください。
4-1.休める場所で横になる
高温の場所でのぼせたのであれば、まずはその場を離れるように努めてください。
まずは横になり、膝から下を高くするようにしましょう。
動くことが困難な状態であれば、その場で横になるかせめてしゃがむなどしてください。
立ち上がっていると脳まで血液が流れ届きにくいことからめまいや立ちくらみなどして倒れてしまう恐れがあります。
無理な行動は控えて安静にするようにしてください。
4-2.冷たいタオルなどで冷やす
頭の血管が拡張している状態を抑えるため、冷たいタオルなどで冷やすようにしてください。
血管を収縮させることで、本来の血液循環へ戻すことができます。
冷やしすぎると血管が縮小しすぎてしまうので注意してください。
自身で冷たいタオル等を準備するのが難しい場合は、誰かの手を借りて手助けしてもらうようにしてください。
体温を冷ますことが重要なので、身体が冷える環境に身を置いておくことも心掛けてください。
4-3.水分を補給する
のぼせた時は体内の水分が不足してしまうことも考えられます。
水分を多めに補給するようにしてください。
体温を調整するうえでも、体内に十分な水分を確保しておくことが重要です。
入浴中や暑い日の外出時は水分を失いやすいので、あらかじめ多めに水分を取っておくと良いでしょう。
4-4.症状が落ち着くまで安静にしておく
焦って行動を起こすのではなく、上記の対処をしたら安静にしながら様子を見るようにしましょう。
一度のぼせた状態になると、正常な状態に戻るまでも多少の時間がかかります。
時間が許す限り安息をとるようにし、症状がなかなか改善されていかないようであれば、病院へ行くなど次の対処について考える必要があります。
5.日頃から気を付けるべきこと
のぼせの症状は日頃の注意で未然に防ぐことができます。
のぼせに繋がり得る事象をなくしていけるように心掛けましょう。
5-1.熱いお風呂に入らない
熱いお風呂に入るのが好きな方もいらっしゃるかと思いますが、極力控えるようにしましょう。
血液循環を乱す原因となりかねません。
もし熱いお風呂に入る際は、合間に休憩や水分補給をするようにし、長時間とならないようにしてください。入浴中にボーっとしたり体調不良を感じた場合は速やかにお風呂から上がるようにしましょう。
5-2.体温が上昇する環境に長時間いない
お風呂や暑い日の室外など、体温が上昇しやすい状況に長時間いないようにしましょう。
体温調整が適切に行われなくなると、のぼせを引き起こしてしまいます。
どうしても長時間にわたって外で活動をする必要がある場合は、日陰で休んだり体を冷やすなどして体温調整をするようにしてください。
汗の様子などから休憩が必要なタイミングを見計らうようにしてください。
5-3.水分補給をしっかり行う
体内の水分を十分に確保しておくことも重要です。
こまめに水分補給をするように心掛けてください。
特に冬場など喉が渇きにくいときは、水分をとることも怠りがちです。
熱めのお風呂に入りたくなる季節でもあるので、注意が必要です。
外出先にも水分を持ち歩くクセを付けておきましょう。
5-4.リラックスした状態を保つ
精神的な負担ものぼせの原因となり可能性があります。
緊張やストレスといった症状を軽減できるよう、自身がリラックスできる状態を整えてみてください。
例えば、アロマの香りを嗅ぐことは自律神経のバランスを整えたり、更年期障害の緩和に効果があるとされています。
マッサージもリラックス効果があるので、積極的に取り入れてみても良いかと思います。
5-5.適切な食生活を心掛ける
カロリーの高い肉類などはできるだけ控えるようにしましょう。
魚類や野菜を積極的に食べることで、更年期障害といったのぼせの原因となり得る症状を改善していくことができます。
高血圧の方は塩分を控え、ホウレン草や海藻などの血圧上昇を抑える食品を食べると良いでしょう。
必要な栄養素を規則正しく摂取することが健康体への第一歩となります。
6.のぼせている方を見かけたら
もし周囲でのぼせている方を見かけた際は積極的にサポートしてあげるようにしてください。
のぼせてしまうと正常な行動が取れず、自身で対処しきれないケースもあります。
体温調整ができない環境であったり、水分補給ができていないと危険な状態です。
上記で挙げたように、安全な場所に移動させ、冷えたタオルなどを対処してあげてください。
その際、当人の様子をしっかりと観察しましょう。
なかなか症状が改善に向かっていかないようであれば病院へ連れていくなどの措置が必要になります。
周りの方に協力を仰いでも良いので、最後まで看病してあげるようにしてください。
7.まとめ
今回は「のぼせ」の原因や対処、予防法などについてまとめてきました。
だれもがのぼせた経験があると思いますが、辛いですよね。是非のぼせの原因について理解し、そうならないよう努めましょう。
また、現在のぼせてしまって当記事をご覧いただいている方は適切な処置を施すようにしてください。