ふとしたときに身体の一部が「しびれる」ときってありますよね。
しびれはよく起こり得ることなんで、普段あまり気にされないかもしれませんが、中にはしびれを伴う病気を発症している可能性もあります。
けして軽視はせず、症状の様子から病気の可能性を疑えるようにしましょう。
今回は身体がしびれる原因と病気との関係性についてご説明させていただきます。
目次
1.「しびれる」とは
しびれとは、身体の感覚が失われ自由が利かなくなる様子のことを言います。
これは手や足など部分的な時もあれば、全体的に広がっていることもあります。
しびれた際は主に以下のような状態となります。
1-1.ピリピリしたような感覚がある
患部がピリピリとしたような異常な感覚に襲われます。
皮膚の表面に違和感を覚え、ジンジンとした痛みのような感覚にも似ています。
1-2.痛みや温度に対する感覚が鈍る
普段なら痛いと感じる衝撃や、熱いと感じるお湯の温度などをうまく感じ取ることができなくなります。
よく手術前に行う「麻酔」にはしびれと同じような痛覚を鈍らせる役割があります。
1-3.動かしにくい、動かない
患部に違和感があることによってうまく動かすことができなくなります。
力を入れることができなくなり、モノを握る、立ち上がるなどといった普段出来ている行動が取れなくなってしまいます。
症状は一時的なものが多く、時間がたつにつれて自然と解消されていくのがほとんどです。
症状が慢性的でかつ長時間に渡って持続しているようであれば、病気などの可能性も考えられるので注意が必要となります。
2.しびれた状態となる原因
身体を動かすのは、脳から神経を経由して各部位に指令が行き届くことで成り立ちます。
この指令が行き届くまでのどこかでなんらかの支障をきたしている状態が「しびれ」であるとされています。
また、血行が悪くなっているときにも起こるようです。
つまりしびれの原因は、神経や血管が圧迫されるなどして本来の働きが阻害されることであると考えられます。
「正座」を例に挙げると、正座中は足を折り畳んで座っているため、体重によって神経や血管が圧迫されった状態になっています。
長時間続くことで「マヒ」した状態となり、結果としてしびれを発症します。
身体の一部分に強い力が加わっていたり、長時間同じ姿勢でいたりすると、しびれた状態になりやすいと言えるでしょう。
3.しびれが起こりやすいケース
しびれた状態になりやすいケースについて例を挙げていきます。
ご自身の経験を振り返ってみてください。
3-1.正座をしたとき
一番思い浮かぶケースが正座をしたときではないでしょうか。
昨今では正座をする機会が少なくなってきたこともあり、正座に慣れていない方が多いようです。
不慣れな正座を長時間行うと、足にかかる負担・圧力も大きくなり、しびれた状態となる可能性は高いと考えられます。
3-2.足組をしたとき
足組をしていると、足が交差して触れている部分に強い圧力が加わります。
上に乗せている足の重みが圧迫を生み出し、血流などに支障をきたしている可能性があると考えられるでしょう。
椅子に座る際など、足を組む機会が多い方は、足のしびれを感じやすいかもしれません。
3-3.腕を体でつぶして寝てしまったとき
寝る姿勢によっては腕などを体で押しつぶした状態になってしまう時もあります。
朝起きたときに腕などがまったく動かせなくなっていてビックリするときもあるのではないでしょうか。
睡眠中は無意識に寝返りなどをしているので、気づかぬうちに体がしびれる状態を作り出している可能性があります。
3-4.なにかしらの病気を発症しているとき
病気によって体にしびれが発生することもあります。
主に神経系の病気や、骨や骨格に関わる病気においてしびれを伴うケースが多いようです。
神経系の病気の場合は重い症状を発症している可能性があるようです。
慢性的・長期的といった普段のしびれとは違う様子が見受けられた場合は注意が必要です。
4.しびれを伴う病気について
上記で挙げたように、しびれは神経や血管が圧迫されることで起きることがほとんどです。
しかし、時には病気を発症していることによるしびれの場合があります。
ここでは体がしびれることで考えられる病気の例を体の部位ごとに挙げます。
自身のしびれの様子から、病気との関連性があるかを判断してみてください。
4-1.「頭」や「顔」のしびれで考えられる病気
頭や顔にしびれを感じた場合は、脳神経に関わる病気を発症している可能性があります。
主に考えられる病気は以下となります。
早めに病院へ行き受診するようにしましょう。
・脳梗塞
・脳出血
・脳腫瘍
・過換気症候群
・パニック障害
・低カルシウム血症 など
4-2.「腕」や「手」のしびれで考えられる病気
腕や手に関しては、動かすことで症状が悪化していくしびれと、動かしていなくても症状が見受けられるしびれの二通りで考えることができます。
それぞれのしびれ方で症状の様子は少し違うので、覚えておきましょう。
4-2-1.動かすことで悪化するしびれ
腕を動かした際にしびれが悪化するような感覚があった場合、上半身の骨格に関わる病気を発症しているケースが多いようです。
普段はしびれた様子がなくても、体を動かした際に目立ったしびれが見受けられるようであれば注意してください。
・頚椎症
・頚椎椎間板ヘルニア
・後縦靭帯骨化症
・胸郭出口症候群
・手根管症候群 など
4-2-2.動かなくても発症するしびれ
体を動かしていなくてもしびれを感じる場合、神経や代謝に関する病気を発症している可能性があります。
神経に関する病気は、しびれが徐々に悪化していく傾向にあるようなので、対処が遅れてしまうことがあります。
早めに判断できるように心掛けましょう。
・脊髄腫瘍
・脊髄空洞症
・ギランバレー症候群
・多汗性硬化症
・糖尿病
・脳卒中 など
4-3.「足」のしびれで考えられる病気
足がしびれる病気も、骨や骨格が関わることが多いようです。
また、脊髄の神経に関わる病気もあるようで、症状が悪化していくと「ぎっくり腰」を発症することもあるようなので注意してください。
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎すべり症
・閉塞性動脈硬化症
・バージャー病 など
5.精神的要因も考えられる
「自律神経失調症」や「うつ病」などといった症状を発症した際も手足がしびれることがあります。
こういった精神面の問題によって起こるしびれが近年は増えてきています。
これらの症状自体はなかなか自分自身では気づきにくいとされていますが、手足のしびれは一つのサインとして捉えることもできるかもしれません。
原因がなかなか判明しない場合は、自身の精神状態についても考えてみるようにしましょう。
6.症状が重いと感じた場合
一般的に良く起こるしびれは、神経や血管に圧力がかかるような事象がなければ発症はしません。
また、発症した際も多少の時間を置くことで自然と解消されていきます。
普段の生活の中でもよく起こり得ることなので、体がしびれてもそこまで心配になる必要はありません。
ただし、上記でも挙げてきたように病気によって起こっているしびれだった場合は注意が必要です。
しびれた様子が以下のようであれば、病気の可能性を疑いましょう。
・体に圧力をかけるような行為をしていないのにしびれている
・なかなかしびれが治らない
・定期的にしびれたような状態になる
・体が動かせない
・感覚が鈍り、日常生活に支障をきたす など
もし病気の可能性がある場合は、早急に病院へ行き診察してもらうようにしましょう。
対処が遅れてしまうと、より重大なトラブルを招いてしまう可能性があります。
中には体が動かせなくなってしまうほどの症状となってしまう方もいるようです。
良くおこり得ることだからと言って軽視はせず、早めの対処を心掛けてください。
7.まとめ
しびれの原因や病気との関連性についてまとめました。
なにか病気を発症していた場合、しびれはその症状を知らせるサインとなり得ることもあります。
生活に支障をきたしてしまうようなしびれには要注意してください。
しびれ方に異変を感じた場合は、早めに解決するようにしましょう。