現代社会には、あらゆる「依存症」が存在します。
当人の人生を壊してしまいかねない事象でありながらも、なかなか抜け出すことが難しい症状です。
依存症でお悩みの方は、まずは依存症について理解を深め、自身の症状に最適とされる改善への取り組みが必要となってきます。
今回は依存症の種類やそれぞれの改善を促す方法についてまとめます。
克服の意思がある方も、依存症の疑いがある方も、参考にしてみてください。
目次
1.「依存症」とは
依存症とは、お酒や薬物、ギャンブルなど、度が過ぎてしまうと日常生活に支障をきたしてしまわない事象をやめることができなくなってしまう状態のことを言います。
「中毒」とも呼ばれ、ある物事への異常な執着心から、自分自身では解消することが出来なくなってしまいます。
近年ではあらゆる事象から依存の可能性が指摘されており、大きな社会問題にまで発展しています。
依存症は自身が気づかぬうちに発症していることが多いため、未然に発症を防ぐためには、依存症について正しい知識を身に着けておく必要があると言えます。
2.依存症の種類
「アルコール依存症」や「薬物依存症」など多くの方が知っているであろう依存症のほかに、近年ではあらゆる事象が依存症の一種であると判断されます。
ここでは依存症として認識される3つの種類について例を挙げていきます。
2-1.物質依存
物質依存とは、ある特定の物質への執着が見受けられるのが特徴です。
物質依存とされる事象には以下の例があります。
・アルコール依存
・カフェイン依存
・糖質依存
・ニコチン依存
・薬物依存
・処方薬依存
これらのように、その物質を摂取しないと落ち着かない、欲求が抑えられないといった場合に物質依存の疑いがあります。
脳の判断能力による影響があるとされており、治療の際も苦労することとなります。
2-2.行為依存
行為依存とは、ある行為に対する執着が見受けられるのが特徴です。
行為依存とされる事象には以下の例があります。
・ギャンブル依存
・ゲーム依存
・インターネット依存
・買い物依存
・自傷行為
これらの行為によって得られる「快楽」によって、依存性を招いてしまいます。
快楽を促す「ドーパミン」は「セロトニン」と呼ばれる物質によってバランスを保たれますが、ストレスなどの影響によってこのセロトニンの分泌量が減少してしまうことがあります。
そのような際にドーパミンが分泌されるような行為が行われると、通常以上に快楽を感じることができ、脳がその快楽を覚えてしまう傾向にあります。
もう一度快楽を味わいたいという繰り返しによって行為依存は生み出されてしまいます。
2-3.共依存
共依存とは、人やその関係性に対する依存のことを言います。
共依存とされる事象には以下の例があります。
・親子依存
・恋愛依存
・友人依存
・ペット依存
・ストーカー
他者との共存において重要なのが「お互いを尊重したほど良い距離感」です。
お互いの思いやりの中で保たれる関係のバランスが崩れてしまうと、場合によっては相手に不快な思いをさせてしまうこともあります。
共依存は一方的な相手への思いからなるもので、症状が悪化してしまうとDVやストーカーなどといった問題にも発展してしまう可能性があります。
3.それぞれの依存症の特徴
上記で挙げてきた依存症について、さらに詳しくまとめていきたいと思います。
それぞれの特徴について把握しておきましょう
3-1.アルコール依存症
お酒を飲む機会が多く、逆に飲まないと落ち着かない様子であれば、それはアルコール依存症かもしれません。
飲む頻度も、飲む量も多くなってきてしまうことから、肝臓などの機能が低下してしまう恐れがあります。
お酒は飲みすぎてしまうと、次の日の生活や健康状態に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
アルコール依存症の疑いがある場合は、お酒の飲み方を見直す必要があります。
3-2.薬物依存症
覚せい剤や危険ドラッグなど、薬物の危険性は皆さんご存知かと思います。
その効能として一番恐れられているのが依存性です。
興味本位で手を出してしまうと、薬物から抜け出せなくなり人生を壊してしまうケースが多いようです。
健康への悪影響も大きいことから、薬物の使用はけして良いものではありません。
3-3.インターネット依存症
現代社会において、インターネットはなくてはならないものになりつつあります。
ネット社会が進行するにしたがって、ネットに依存してしまう方も増えている傾向にあるようです。
スマートフォンの使用などもも含め、ネットに依存していると、他社とのコミュニケーションの時間が激減してしまったり、視力の低下にも繋がり得ることになります。
3-4.ギャンブル依存症
パチンコや競馬など、賭博に対するお金の使用の歯止めが利かなくなってしまう症状です。
勝てばその快楽を求めてギャンブルをし、負ければ負債分を取り返そうとギャンブルをする、といった悪循環から抜け出せなくなってしまいます。
借金をしてでもギャンブルをすることで、日常生活から人生そのものまでを壊してしまうケースもあるようです。
3-5.ニコチン依存症
主にタバコを吸うことに依存してしまいます。
ニコチンにも脳へ快楽を与える作用があり、また吸いたいといった感情を強めてしまいます。
喫煙することが習慣づいている方は、ニコチン依存症の疑いが強まります。
ニコチンに依存してしまうと、いざ禁煙に挑戦しようと思ったときに、なかなか克服することが出来なくなってしまいます。
4.依存症を克服するには
依存症は一度発症してしまうと、なかなか克服することが難しいものであるとされています。
強い気持ちをもって、長期的な取り組みを心掛けましょう。
ここでは依存症を克服するための方法について例を挙げていきます。
自身の様子を考えながら、参考にしてみてください。
4-1.依存症であることを自覚する
まずは、自身が依存症であるということを自覚する必要があります。
依存症は自身で気づけないからこそ、症状が重くなっていく傾向にあります。
自分は依存症ではない、まだ大丈夫、といったスタンスではなく、常に依存症なのではないかという疑いを持つようにしておいてください。
依存している可能性がある場合は、その事象を一度我慢してみるようにしましょう。
我慢できずに手を出してしまった場合は、それはもう依存症と言えるでしょう。
自分自身で的確に判断できない場合は、他者からの俯瞰的な意見をもらうことも良いと思います。
4-2.これまでに失ってきたものを考える
依存症の場合、それまでに多くのものを犠牲にしてきている場合が多いです。
時間やお金、健康状態や人との関わりなど、依存によって失われたと思われるものを振り返ってみることも大切になってきます。
そして、それはもう戻ってこない可能性もあるということを認識しておかなければなりません。
これまでの後悔を克服の糧にしていくしかありません。
4-3.依存しているものに対する情報を断つ
執着したものへの情報は敏感に感じ取ってしまいます。
そして、その情報が得られたときに、欲求が抑えられなくなってしまいます。
完全にそれらの事象に繋がる情報を断つことは難しいのかもしれませんが、意識しないことは依存症克服にとって大きな一歩となります。
居酒屋に足を踏み入れない、タバコの自販機には近寄らない、など自身で行える工夫はたくさんあるかと思うので、意識的に遠ざけるような取り組みを行ってみましょう。
4-4.趣味の幅を広げる
依存している事象から気をそらせる意味合いも込め、新しい趣味を発券してみるなども良いかもしれません。
これまで使われていた時間やお金によって他にも得られるものがあるということに気づきましょう。
満たされる事象が多いほうが、ひとつのものに固執してしまうことを緩和させてくれます。
まずは広く浅く、あらゆることに挑戦してみてください。
4-5.協力者を見つける
依存症は自身だけで克服することはなかなか難しいです。
依存症であることを恥ずかしがらず、思い切って協力してくれる方を見つけてみましょう。
それは、同じ依存症の方でも、そうでない方でも構いません。
依存を克服するために強い意志を持ち続けられるよう、良い意味で他者を巻き込んでみてください。
5.病院への通院も克服への近道
精神的な問題や肉体面への悪影響を考えると、健康状態に大きな被害が及んでしまうことは大いに予想できます。
専門家による治療によって、克服への足掛かりとなることもあるので、病院での診察を考えてみると良いでしょう。
より適切な対処やアドバイスをしていただけるかと思います。
最終的には自身の意思による克服となりますが、専門家の方によるアドバイスによって、より強い気持ちをもって改善への取り組みが行えるかと思います。
6.まとめ
今回は依存症についてまとめてきました。
あらゆる事象に依存してしまう可能性のある近代社会においては、依存症の恐ろしさを知り、誰もが依存症になってしまう可能性があるということを認識しておくことが大切です。
依存症の疑いがあると感じられた場合は、早めに対処ができるように常日頃から注意を払っておくようにしてください。
また、周囲に依存症の方がいる場合は、他人事だとは思わず、克服の手助けができるようにしてあげてください。